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傷んだ細胞を新しくする亜鉛

食事から摂取した栄養素がエネルギーとして活用されるためには、
私たちの体内において常に化学反応が起こっています。
その化学反応の媒体となるのが、体内に数千種類もあるといわれる酵素です。
亜鉛は、そのうちのおよそ300種類の酵素の成分として関わっています。
したがって、亜鉛が不足すると多くの酵素の働きにも影響が及び、様々な欠乏症が発生してしまいます。

特に亜鉛は、たんぱく質の合成に深く関わっています。
亜鉛が不足して、たんぱく質の合成がうまくできなくなると、細胞分裂に影響がでて、
新しい細胞の増殖力や傷んだ細胞の修復力が落ちてしまいます。

たとえば、亜鉛は成人の体内に約２g存在しているといわれますが、そのうちの20％は皮膚に存在します。
亜鉛は皮膚の細胞の新陳代謝を活発にして、常に新しい細胞を生成し、傷んだ皮膚細胞を再生させることで
私たちの肌の衰えを防いでくれています。
しかも亜鉛は、肌の張りを保つのに必要なコラーゲンの合成も促進するので、
美肌の維持には欠かせないミネラルといえます。

亜鉛にはホルモンバランスを整える働きもあります。
「更年期障害とホルモンの関係」のぺーじで、更年期障害は性ホルモンの減少によって起こることを見ました。
亜鉛が不足するとホルモンバランスの乱れに一層拍車が掛かり、症状を悪化させます。
若い女性あっても、亜鉛不足は月経異常などを引き起こしますので、注意が必要です。

男性にも亜鉛は重要です。
亜鉛は前立腺に多く存在しているからです。
精子の生成・活動に、亜鉛は大きく関与しています。
このように、生殖にとっても亜鉛は大変重要なミネラルです。