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「鉄」足りていますか？

あるデータによると、日本人女性の鉄欠乏性貧血患者は1000万人に上ると推定されます。
これは自覚症状のある人だけなく、まだ自覚症状のない、潜在的に鉄が不足している人を含めた数です。
鉄は体内で再利用されるため、必要量は一日男性10�r、女性12mg程度とわずかですが、
それでも日本人には不足気味の傾向が高いミネラルです。
その上、無理なダイエットや不規則な食事などの広がりによって、潜在的な鉄欠乏症が増えているのが最近の問題です。

動悸や息ぎれ、忘れっぽい、集中力がなくなった、血色が悪い、疲れやすいなど、
このような症状がある人は、鉄欠乏性貧血かも？と疑ってみてもよいかもしれません。
鉄は血液中で赤血球の成分であるヘモグロビンと結びついて、肺から取り込んだ酸素を全身に運搬する作用にかかわっています。
したがって、鉄が不足すると、体の隅々まで酸素が行き渡らなくなり、いろいろな臓器や組織が酸欠状態になるため、動悸や息切れ、集中力の低下、スタミナ不足に陥ってしまうわけです。

体内の鉄の約70％は血液中にあって、この酸素を運ぶ働きにかかわっていますが、この鉄を「機能鉄」と呼びます。
残りの約30％の鉄は、肝臓や脾臓、骨髄などにあり、これらにある鉄を「貯蔵鉄」と呼びます。
貯蔵鉄は、いわば鉄の貯金です。
収入より支出の方が多くなってしまった月は、貯金を切り崩してマイナス分を埋め合わせます。
赤字がひと月で済めば、家計にはそれほど問題はないでしょう。
しかし赤字が毎月続くとしたら、いずれ貯金も底をつき、家計は火の車となります。
鉄もそれと同じで、機能鉄だけで賄えているときは健康で青信号、
しかし、機能鉄が不足して貯蔵鉄にも出動を依頼するようになると黄色信号（潜在的鉄欠乏性貧血）、そして、貯蔵鉄すらも底が見えてきたときには、もはや赤信号です。

特に女性は生理による出血があるため、潜在性鉄欠乏には注意が必要といわれます。
一日の必要量が男性よりもいくらか多目なのはそのためです。

鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の２種類があります。
動物性食品に多く含まれるのがヘム鉄で、植物性食品に多く含まれるのが非ヘム鉄です。
鉄の吸収率はどちらがよいかというと、ヘム鉄の方です。
つまり、鉄は動物性食品から摂った方が体への吸収率がよいということです。
もちろん、いろいろな食品をバランスよく食べることが一番大切ですが、
鉄が足りないな、と感じた時には、覚えておくと便利です。
鉄の黄色信号がともっていないかどうか、ときどき気をつけてみましょう！

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